一日
朝おきると入ってくるのは
今日もだれかが生まれ
今日だれかが死んだという知らせ
スマートフォンの小さな画面でさえ
会ったことのない友人の誕生日を
教えてくれる
通勤のおぼつかない足どりは
まだ歩くことを覚えはじめたばかりだから
帰路の重い足どりは
みえない荷を背負って
生きてきた証拠
そして今夜、あなたは
しずかに
死んでしまいます
ですから
自らを傷つける必要はなく
他者を悲しませることなど
なおさら
二十四時間という一生を
まぶたを閉じて
ひとりきり
終えてゆくのです
writing by keiko ichikawa