Poetry

一日

朝おきると入ってくるのは

今日もだれかが生まれ

今日だれかが死んだという知らせ

スマートフォンの小さな画面でさえ

会ったことのない友人の誕生日を

教えてくれる

通勤のおぼつかない足どりは

まだ歩くことを覚えはじめたばかりだから

帰路の重い足どりは

みえない荷を背負って

生きてきた証拠

そして今夜、あなたは

しずかに

死んでしまいます

ですから

自らを傷つける必要はなく

他者を悲しませることなど

なおさら

二十四時間という一生を

まぶたを閉じて

ひとりきり

終えてゆくのです

writing by keiko ichikawa

赤き月

2022年12月24日