マッス
2024年となりました。
年頭から能登半島地震、航空機事故、山手線内事件などが続き
心おだやかにいられない方も多いかと存じます。
被災された方、被害にあわれた方の一日も早い
心の回復をお祈りするとともに
わたし自身ができることはなにか、ということを
突きつけられた思いでいます。
昨日、ことし始めのいけばな稽古がありました。
花材は赤芽柳と水仙のみ。
どちらも線の花材です。
それらを使って面のマッス(=塊)をつくることをしました。
一本のみではか弱い線の花材も
並べて面をつくることで
印象が変わってきます。
活け終わり、片付けをしようとしていたら
先生が「これで、違うマッスを作ってみなさい。」と仰いました。
これ、とは上の写真を活けたときに切った枝の切れ端でした。
もう捨てようと思っていた切れ端を
揃えて、まとめると、不思議なことが起こりました。
力強い、また別のマッス作品ができたのです。
マッスとは塊のこと。
赤芽柳の切れ端も一本だけでは使い物にならないかもしれない。
水仙の葉も一本だけでは倒れてしまう。
しかし、それらを「塊」としてまとめることで
力強いエネルギーがでてくるのです。
これは、人間にも通じることだと思いました。
一人ひとりだけでは、か弱い存在でも、
束となり、力を合わせれば、
一人ではなし得ないことができる。
そんなことを「花」から学んだのでした。